年間ベストアルバム(2015)

2015年のアルバムもそろそろ出そろってきたので、年間ベストアルバムを考えてみました。とりあえず10位までで。

 
10:Salad Boys『Metalmania』

部屋で横たわって75~86点くらいの曲しか入ってないアルバムをチンタラ聴こうぜ協会会長である僕イチオシのSalad Boys。名前が最高だと思います。12弦ギターのキラキラした音が、何もやる気の起きない休みの日を肯定してくれます。スリーピース特有の音の隙間を埋めない感じが好みでした。

9:Destroyer『Poison Season』

ホーンセクションが入ってきたときの報われた感が異常に気持ち良いです。なんかこうインディ特有のウジウジ感と、ホーンの解放的なベクトルのバランス感覚が最高だと思います。それぞれのパートの音がすごい気持ち良くて、聴いててスーッとするアルバムでした。

8:Widowspeak『All Yours』

良いアルバムって一音目で「うわぁ~ッ...」てなるじゃないですか。2015年で最高の一音目のアルバムはコレだと思いました。このギターの最初の一音を聞きたいがためにアルバムを再生することもしばしば。勿論その後の曲も良いです。ウィスパーにならない程度の温度感の女性Vo.も最高です。

7:Mikal Cronin『MCⅢ』

前作のMCⅡも相当傑作でむこうの方がノイジーで好みではありましたが、KEXPでの映像を見て3rdアルバムのライブ映え具合に愕然とさせられました。今作はストリングスにスポットを当てた曲群がとにかくポップでキラキラしていて、ただただワクワクさせられます。マジでTy Segall連れて来日しないかなと、ずっと前から言ってます本当に。

6:吉田一郎不可触世界『あぱんだ』

Zazen Boys吉田一郎が14歳の頃からストックしていたフレーズを再構築して作った1stソロアルバム。近年のZazen的なシンセを中心に据えた路線は予想出来ても、ここまでヒップホップと都会派チルウェイブ的な路線で来るとは思っていなかったです。大して韻を踏みに行ってなさそうなラップの語感の良さが異常に耳に残ります。曲の幅が本当に広くアルバム全体の統一感はないものの、だからこそ2ndがすごい面白くなりそうで超期待してしまう自分がいます。

5:Titus Andronicus『The Most Lamentable Tragedy』

古き良き音楽を、楽しそうにやってるから超好きです。パワーポップの源流からモッズからパンクから色んな要素を取り込んだご機嫌な音楽が続きに続いて、色々インタールードとかあれどアルバム29曲とかいうボリュームはもう笑うしかありません。自分たちの好きな音楽をホントに楽しそうに演奏してるのは憧れます。

4:Girl Band『Holding Hands With Jamie』

なんだろう。聴いててスリルが半端なかったです。「来るぞ...来るぞ...来ないのかよ!!」ってなったり「来ないよね...って来るのかよ!」ってなったり、良い意味でサービス精神ゼロの曲の作り方に翻弄されてしまいました。METZとか今年もアツかったけど、衝撃という点ではGirl Bandだったかなぁと思いこの位置に。分かりやすいノイバウテン的な感じのサウンドです。

3:Jim O'rourke『Simple Songs』

貫禄の作品だったように思います。『Eureka』を失敗作だと思っている、というジムオルーク完全読本のインタビュー通り、表現することへの恥であったり内省的な部分を敢えて排除したような曲群はホントに考えさせられました。ライブではギターが前に出まくりで痺れまくりでした。

2:Courtney Barnett『Sometimes I Sit And Think And Sometimes I Just Sit』

マジでカッコいいです。ルックスからサウスポー手弾きの演奏スタイルまで、2015年の新たなスター爆誕しとるやないかと、ヒシヒシと感じました。はやく2ndを...!

1:Sufjan Stevens『Carrie & Lowell』

今年も素晴らしいアルバムが沢山出ましたが、聴いていて泣きそうになったのはこのアルバムだけでした。歌詞が分からないけど泣きそうになって、歌詞が分かってもっと泣きそうになりました。今年は個人的に色んなことがあったけど、このアルバムがあったからこそ救われたと思います。生涯聴くであろう一枚でした。

今年も良い音楽が沢山あって楽しかったです。